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ホットスポット(発熱)とクラスタ故障について

こんにちは!ぐんまソーラーメンテ相談室です。今月は5月ということで、

太陽光発電の発電効率が一番上がる月でございます。

そんな5月は太陽光発電所の点検が一番忙しい時期でもあります。

またこれから夏に向けて気温が急激に高くなる為、太陽光パネルが発熱して

しまうことがあります。

そこで今回は「ホットスポット(パネル発熱)とクラスタ故障について

少し専門用語が出てきますが、なるべく一般の方でも理解できるように

ご説明していきます。

ホットスポット(パネル発熱)とは?

「ホットスポット」とは太陽光パネルの一部分が局所的に発熱してしまう現象のことを指します。

ホットスポットは様々な原因により発生してしまいますので、

代表的な原因を写真と合わせてご紹介いたします。

【パネルの汚れによるホットスポット】

太陽光パネルは常に屋外にある為、このようなパネル汚れは避けられません。

こうした汚れにより発熱し、クラスタ故障へと発展してしまいますので、

定期的なパネル洗浄が必要です。

【電柱や雑草等の影によるホットスポット】

一般の方は「影ができるとなんで発熱するの?」と不思議かと思いますが、

実は太陽光パネルは影の部分が電気抵抗となってしまい、

その部分が局所的に発熱してしまうのです。

また雑草等は放置してしまうと最悪の場合、発火の恐れがありますので、

定期的な除草等を行うことがとても重要です。

【パネルの内部的な故障(クラスタ故障)によるホットスポット】

上記のように、左の写真は一見何も不具合が無いように見えるパネルも

赤外線カメラで見ると発熱していることが分かります。

このように人間の目視では発見できない不具合も専用機器を使えば見つける

ことができますので、プロによる定期的な点検をし、早期に発見することが

とても重要です。

こうしたパネルの内部的な故障の多くは「クラスタ故障」と呼ばれる現象が

原因で発生いたします。

この「クラスタ故障」については次の項目でご説明いたします。

クラスタ故障について

一般の方は「クラスタ」というとコロナの集団感染を思い浮かべますが、

太陽光パネルは一枚の中にセルという四角い太陽電池が60~72個

(パネルの規格による異なる)あり、そのセルが合わさり一枚の太陽光パネル

となっております。

そのパネル一枚は3つのグループに分かれて構成されており、

その1つのグループのことを「クラスタ」と呼びます。

(セルが60個のパネルであれば、20セル毎のグループということです)

そのクラスタの不具合のことを「クラスタ故障」と言い、

代表的なクラスタ故障を3つご紹介します。

【クラスタ高抵抗化】

前述のホットスポットの章でご紹介した目視では発見できないホットスポット

の多くは、様々な原因により上記のように一つのセルが高抵抗となり、

発熱してしまいます

この場合原因を特定することが難しく、竣工時でも発生することがある為

初期不良の可能性もあります。

【クラスタ断線】

次は「クラスタ断線」です。

その名の通り一つのクラスタが断線し、発熱してしまいます。

前述のクラスタ高抵抗化が進行して、クラスタ断線になるケースが多いです。

このクラスタ断線の場合、太陽光パネル一枚の3分の1の発電が低下している

可能性があります。

原因は様々ですが、クラスタ内部のコネクタの接続不良等が代表的な原因で

初期不良の可能性もあります。

【バイパスダイオード短絡故障】

次は「バイパスダイオード短絡故障」です。

一般の方には少し理解が難しいと思いますが、太陽光パネルの裏側に

上記の左写真のように黒い箱みたいなものがあり、

これを「ジャンクションボックス」と言います。

このジャンクションボックスの中に前述の3つのクラスタを繋ぐ(バイパス)

回路が配線されており、それを「バイパスダイオード」と言います。

そのバイパスダイオードが短絡故障(ショート)してしまうと、

上記の右写真のようにジャンクションボックスが発熱し、

その太陽光パネル一枚が発電していない可能性が非常に高い状態となります。

この原因は主に被雷(直撃雷・誘導雷)によりバイパスダイオードが短絡状態

となるケースが多く、経年劣化等によっても発生する可能性もあります。

まとめ(ホットスポットやクラスタ故障を放置すると・・・)

今回「ホットスポットとクラスタ故障について」ご紹介させて頂きましたが、

こうした不具合をそのまま放置してしまうと発電低下だけではなく、

下記のような現象に発展してしまいます。

さらにこのパネルが焦げる程発熱しておりますので、ここに雑草等が接触し

続けていると最悪の場合発火する恐れがあり、発電所火災などの

二次被害を生む可能性もあります。

そのような最悪のケースにならない為にも定期的な点検や測定

雑草管理やパネル洗浄などのメンテナンスが必要不可欠となります。

ぐんまソーラーメンテ相談室では、そうしたメンテナンスに加え、

経験豊富な電気工事士による修理なども請け負うことができます。

是非一度お気軽にお問い合わせください!

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