太陽光発電の定期報告について
こんにちは!ぐんまソーラーメンテ相談室です。
今回は「太陽光発電の定期報告について」ということで、太陽光発電設備の所有者に義務付けられている定期報告についてその制度の内容や定期報告のやり方等をご紹介いたします。
目次
太陽光発電の定期報告とは?
再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法施行規則(改正FIT法)により、認定を受けた発電設備は次の3種類の報告を経済産業大臣宛に行うことが、認定基準として義務付けられています。
①設置費用報告
【対象設備】全ての容量の太陽光発電設備
【報告内容】太陽光発電設備の設置にかかった費用に関する報告
【報告期限】太陽光発電設備が運転開始した日から1ヶ月以内に提出
②運転費用報告
【対象設備】10kW以上の容量の太陽光発電設備
【報告内容】太陽光発電設備の年間の運転・維持管理にかかった費用に関する報告
【報告期限】太陽光発電設備が運転開始した月の翌月末までに提出(1年に1回)
③増設費用報告
【対象設備】全ての容量の太陽光発電設備
【報告内容】太陽光発電設備の増設した場合にかかった費用に関する報告
【報告期限】太陽光発電設備を増設した容量で運転開始した日から1ヶ月以内に提出
以上の3つの報告義務がございます。
特に②運転費用報告に関しては毎年1回行う必要がある報告となっておりますので、忘れがちな定期報告となります。またいくつも太陽光発電所を所有している方だと運転開始月が発電所毎にばらばらだったりしますので、特に忘れやすいかと思います。
太陽光発電の定期報告の対象者は?
太陽光発電の定期報告の対象者は下記表の通りです。
上記のように運転費用報告に関しては、10kW以上の太陽光発電設備が報告対象となっておりますので、よく確認をして報告するようにしましょう。
太陽光発電の定期報告に必要な情報は?
次に太陽光発電の定期報告に必要な情報を解説していきます。
冒頭にご紹介した「設置費用報告」、「運転費用報告」、「増設費用報告」の3つの報告がありますが、それぞれの報告に必要な書類や情報についてお話していきます。
①設置費用報告と増設費用報告に必要な情報
新たに太陽光発電設備を設置した場合には「設置費用報告書」を作成し提出します。
太陽光発電設備を増設した場合には「増設費用報告書」を作成し提出します。
設置費用報告と増設費用報告では、報告に必要な項目は基本的に同じとなります。
大きく分けて下記3種類の費用についてまとめておく必要があります。
【太陽光発電設備の材料費】
モジュール・パワコン・モニター・接続箱・架台・受変電設備・電材等の材料費です。中でも太陽光パネルやパワーコンディショナはメーカー名や容量等の把握も必要になります。こちらは施工会社の見積書や明細書に記載されておりますので、確認してみてください。
【太陽光発電設備の工事費】
基礎工事・据付工事・電気配管工事・付帯工事等の工事費です。こちらも施工会社の見積書や明細書に記載されておりますので、確認してみてください。
【太陽光発電設備の接続費】
電源線・遮断機敷設費・計量器等の接続費です。こちらは電力会社への連系工事負担金の明細書に記載されておりますので、確認してみてください。
上記3種類の費用以外にかかった費用は「その他」欄に記載できますので、そちらに項目と金額を入力する形となります。
【太陽光発電設備の設置期間情報】
太陽光発電設備を設置するまでに要した期間の情報が必要となります。事前調査・基本設計・実施設計・土地造成・基礎工事・据付電気配管付帯工事・接続工事と7項目に分かれた工程の期間(年月)を入力する必要があります。こちらは施工会社もしくは販売会社に確認をしておきましょう。
設置費用報告書と増設費用報告書のさらに詳しい必要情報については、資源エネルギー庁の記入例を参考にしてください。
10kw未満の設置費用報告の記入例
10kw以上の設置費用報告の記入例
10kw以上の増設費用報告の記入例
②運転費用報告に必要な情報
太陽光発電所を1年間運転するのにかかった費用を報告するためには「運転費用報告書」を作成し提出します。
報告する費用の項目は、土地賃借料・修繕費・保守点検費・事務所経費・人件費・通信費・法人事業税・廃棄想定費用などがあります。また、費用以外にも年間発電量や柵・塀の設置状況、標識の設置状況、点検頻度や点検内容等といった情報も報告する必要があります。
運転費用報告書のさらに詳しい必要情報について、資源エネルギー庁の記入例を参考にしてください。
太陽光発電の定期報告方法は?
定期報告の方法は、「インターネット」か「郵送」の2種類から選ぶことができます。
それぞれの報告方法について見ていきましょう。
①インターネットで報告する方法
インターネット上から定期報告をする場合、まず初めに「再生可能エネルギー電子申請ホームページ」にアクセスし、ユーザ登録をする必要があります。(ユーザ登録方法については下記参照)
ユーザ登録が完了しましたら、再生可能エネルギー電子申請のログインページよりログインIDとパスワードを入力し、ログインの上、定期報告申請画面へと進んでいきます。(その後の流れについては下記参照)
定期報告申請画面の入力方法は「固定価格買取制度 再生可能エネルギー電子申請 操作マニュアル」をご覧ください。
②郵送で報告する方法
インターネットで電子申請できない場合は、下記2通りの方法により郵送で定期報告をすることができます。
1)インターネットから様式をダウンロード・印刷を行うことが可能な方
以下の様式をダウンロード・印刷し、記載していただいた上で、経済産業省が委託した代行申請機関(一般社団法人 太陽光発電協会 JPEA代行申請センター(JP-AC))(住所等は下記参照)に郵送でお送りください。なお、報告内容に疑義がある場合は、個別に問い合わせる場合があります。
- 10kW未満記入様式(共通)[Excel形式]
- 10kW以上記入様式(共通)[Excel形式]
- (記入例)10kW未満・設置費用報告[PDF形式]
- (記入例)10kW以上・設置費用報告[PDF形式]
- (記入例)10kW以上・運転費用報告[PDF形式]
- (記入例)10kW以上・増設費用報告[PDF形式]
【宛先】
一般社団法人 太陽光発電協会 JPEA代行申請センター 報告グループ
〒105-0003 東京都港区西新橋2丁目23番1号 第3東洋海事ビル2階
TEL:0570-07-8210
2)インターネットから様式をダウンロード・印刷を行うことができない方
資源エネルギー庁から様式をお送りいたしますので、以下の宛先まで、住所・氏名・連絡先(携帯電話等)、設備規模(10kW未満、10kW以上)、報告区分(設置費用報告、運転費用報告、増設費用報告)を楷書にて明記(様式自由)し、切手140円分を封筒に入れ、封筒表面に「定期報告様式送付依頼」と大きく記載しお送りください。なお、返送用封筒を同封する必要はありません。
【宛先】
一般社団法人 太陽光発電協会 JPEA代行申請センター 報告グループ
〒105-0003 東京都港区西新橋2丁目23番1号 第3東洋海事ビル2階
TEL:0570-07-8210
その後、お送りした様式に記載いただいた上で、同じ宛先にお送りください。
※注意事項
・電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の改正により様式の項目が変更しております。従来の様式による定期報告はできません。
・様式は原本を送付してください。記載に当たっては、鉛筆書き、朱色では無い捺印は不備となります。
・報告者様において原本を複写し、複写したものは、必ず保管してください。
・インターネット環境の無い個人様を対象としておりますので、法人様からのご依頼はご遠慮させて頂きます。
・様式による定期報告の受理確認は、JPEA代行申請センターまでお問合わせください。
・一つの設備で一度に複数の定期報告をすることはできません。一度に一つの定期報告を行い、受理確認後、続けての定期報告をお願いします。
・定期報告の様式以外の資料等をご送付いただいても、受付けできません。御了承ください。
・一度に複数の様式を送付することはできません。一回の送付依頼に対し、一部の様式を送付いたします。なお、様式を複写して使用することは可能です。
太陽光発電の定期報告をしないとどうなるの?
次に太陽光発電の定期報告を忘れていて実施しなかった場合はどうなるのでしょうか?
こちらに関しては法令で義務化されている為、罰則についても記載がございます。2018年7月23日の「定期報告に関するお知らせ(注意喚起)」に以下のようにはっきりと記載があります。
「定期報告の提出は認定基準として義務付けられているため、御提出いただけない場合には、経済産業大臣による指導の対象となるほか、認定が取消しの対象となる可能性があります。」
最悪の場合は認定取消しとなってしまい、太陽光発電設備のFIT単価での売電ができなくなってしまいます。その場合、電力会社の自主買取価格となってしまうため、大きく売電収入が下がってしまいます。そういった最悪の事態を避けるためにも太陽光発電の定期報告は必ず実施するようにしましょう!
まとめ
今回は「太陽光発電の定期報告」についてご紹介させていただきました。
定期報告の中でも「運転費用報告」については毎年1回報告する義務がありますが、「すっかり忘れていた」「全然知らなかった」という方も未だに多くいらっしゃいます。
お伝えさせて頂いたように義務化されており罰則もある以上、毎年忘れずに定期報告を実施していくことが必要かと思います。
インターネット上から電子申請となるとハードルが高くて申請が手間と感じてしまいやすいですが、「運転費用報告」自体は毎年大きく変わるものでもないなく、報告する内容も決まっていますので、一度調べてやり方を覚えてしまえば、意外と簡単にできますので、郵送で申請していた方も是非電子申請にトライしてみてください。
また、弊社では太陽光発電のメンテナンスおよび太陽光発電に関する悩み相談も承っております。もちろん「定期報告の申請代行業務」もやっておりますので、是非一度お気軽にご相談ください。
心よりお待ちしております。
【関連記事】